熊本市職員向けUI改善×AI活用ワークショップ (2025年11月実施)
【研修事例:熊本市様】AI任せにしないDX。正しい「UI知識」と「生成AI」を掛け合わせた、実践型Web改善研修
ワークショップ概要
- クライアント
- 熊本市 様
- 実施日
- 2025年11月(全3回)
- ワークショップ内容
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- 「サービス利用者視点」でUI改善
- 市民ペルソナになりきるユーザーテスト
- 生成AI(Copilot)を活用した実践型ワークショップ
- ツール・技術
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- Microsoft Copilot
- ペーパープロトタイピング
- Miro
ワークショップの目的
2025年11月、熊本市役所様にて職員を対象としたUI改善研修(全3回)を実施しました。 自治体DXにおいて「生成AIの活用」は急務とされていますが、単にツールの使い方を覚えるだけでは、市民にとって使いやすいサービスは生まれません。 本研修では「AIに指示を出し、AIの成果物を評価するのは人間(職員)である」という考えのもと、UI(ユーザーインターフェース)の基礎知識と、生成AIの実践活用をセットにした独自のカリキュラムを提供しました。
実施の背景と課題
熊本市様では、市民サービスの向上を目指し、電子申請フォームやWebページ記事の改善に取り組まれていました。一方で「市民に伝わる文章が書けない」「フォームの構成がこれで合っているか自信がない」といった現場の悩みが寄せられていました。
当初は「UIパーツの適切な使い方」など、Tipsを中心とした講義形式を検討していました。しかし、デジタル戦略課や広報課の担当者様との打ち合わせを重ねる中で 「知識を増やすだけでは職員の負担が増えるだけで、結果的に『市民にとって便利なサイト』の運営に結びつかないのではないか」と感じました。 「良いUIの考え方」が現場に浸透するためには 「知識の習得」だけでなく「テクノロジーによる効率化」が不可欠ではないか?と。 そこでカリキュラムを刷新し、「UIの基礎理論」を学んだ直後に「生成AI(Copilot)で実践する」ハイブリッド型の構成へと軌道修正しました。
今回の研修の構成は次の通りです。
- 初級編:市民の立場で考える時間。ペルソナになりきる「ペーパープロトタイピング」 の体験
- 中級編:AIへ頼み方を学ぶ時間。 「AI=新人アシスタント」への指示出し体験
研修のポイント:「なぜ、AIを使う前に『紙とペン』なのか」
本研修では、デジタルツールを触る前に、あえてアナログな手法や基礎理論に時間を割きました。
【電子申請-初級編】ペルソナになりきる「ペーパープロトタイピング」
改善対象のフォームを印刷して各チームに配布。ユーザーテストを経て不要な部分は文字通りメスを入れ、付箋で書き込んでいき修正案を作成。「市民がどこで迷うか」をアナログな手法で検証しました。これにより、AIに指示を出す前の「市民視点」を身体知としてインストールしました。
初級編の内容は、昨年(2024年)実施した熊本市職員向けUI改善ワークショップと同様です。 2024年版の詳細レポートはこちら
【電子申請-中級編/Webページ-AI活用編】「AI=新人アシスタント」への指示出し
電子申請の改善において、講師は「AIに丸投げしないこと」を強調しました。 「AIはあくまで優秀な新人アシスタント。的確な指示(プロンプト)を出し、上がってきた成果物を最終チェックするのは上司である職員の役割」と伝えました。
「ラジオボタンとプルダウンの使い分けの理由」など、人間が知っておくべきUIの原則を学んだ上でAIを操作する流れにしました。AIが生成した改善案の良し悪しを、職員自身が判断できるようワークショップを設計しています。
アンケート結果と参加者の声
研修では、実際に公開されたフォームや記事を題材に、Copilotを使って改善案を作成するワークショップを行いました。
アンケート結果
ホームページ編
電子申請(初級編)
電子申請(中級編)
参加者の声
生成AIでこんなにも簡単に改善案が出せることに驚きました。うまく活用していきたいなと思いました。作成したHP案を課内でも共有したいです。
今日一番心に残った言葉、「AI=新人さん」そう思って、会話しながら仕事を任せてみます。
ユーザーに「なりきる」ことで利用者満足が増え、結果的に業務効率となると考えます。
電子申請のフォームを作ったり関わる機会が来たら率先して利用者になり切って考えて作っていきたいです。
- プロンプトの作成が難しそうでしたが、どう作成したらいいかをAIに聞くというのは目からうろこでした。
- ホームページ作成×AIの視点は今までありませんでした。文章の添削をしてもらうくらいのイメージでしたが、プロンプトを工夫するとすごく良い相棒になりそうです。
- 積極的にAIの手を借りて、業務の効率化を図りたいと思った。
- プロンプトのテンプレを組織で共有するとHPの作成に個人差が出ないかもと思いました。
- 市役所の広報媒体として市民に定着のある「ホームページ」の作成は、市役所のどの部署に勤務することになっても必要な業務であり、本日の研修を受講して学んだ知識を今後、ホームページの作成時に活かしていきたいと思います。貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
ただツールが使えるようになるだけでなく、「市民のためにどうあるべきか」という視点を持った上で、AIを相棒として使いこなす。そんな「自走できる職員」の育成に貢献できた研修になったかと思います
研修で使用した資料
今回の研修で使用した資料を公開します。
(熊本市様から許可をいただきました)
自治体でのAI導入やUI改善研修にお役立てください。
改善案生成プロンプト
研修で使用した「電子申請フォーム」「Webページ改善」向けのAIプロンプトセットをGitHubで無料公開・配布しています。
利用規約やライセンス、使い方の詳細はGitHubリポジトリ内のREADMEをご確認ください。
弊社のデザインアドバイザリーについて
私たちは、単発のセミナー開催だけでなく 組織の課題に合わせたカリキュラム設計からご支援します。 「ツールを入れたが現場で使われない」 「DX研修の成果が見えない」 といった課題をお持ちの自治体・企業様は、ぜひCGFMにご相談ください。
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